決断する勇気…、そんな想いに駆られた出来事を紹介しよう。
<事例 1>
利用者Aさんは一人暮らし。ある日の訪問時、Aさんの体調が思わしくなかった。反応が悪く血圧も低下していた。臥床させても回復せず。このまま1人にして帰るのは忍びなく、息子さんに電話し状況報告。すると息子さんは会社を早退して、病院に連れて行ってくれたのだ。夕方、自宅に電話して結果を聞いてみると「大丈夫みたいですよー」と軽い返事。「あぁ、わざわざ会社を休ませて大ごとにしてしまった。もう少し様子を見ればよかったのかも」との後悔の念が湧いてきた…。
<事例 2>
同僚の看護師Bさんが、土曜夜オンコールでCさん宅に訪問。Cさんは体調悪そうだったが、その日は自宅で様子を見ることになった。次の日の朝、自宅に電話すると「なんか大丈夫そうです」との返答あり安心する。しかし月曜になり事業所に一本の電話が来た。脳梗塞で入院したとのこと。看護師Eさんは「あの時、病院受診を勧めれば良かった」とひどく後悔していた…。
さて、訪問時に体調不良の利用者に出会った時、「受診を勧める」のが正しいのか「様子を見る」のが正しいのか。
人間相手、マニュアル化できない。
実際、どちらを選択しても後悔している。
んー難しい…。
決断するのって、勇気が要る。
責任が重くのしかかってくるから。
「やる」か「やらない」か、ただそれだけなのに…。
ちょっと話は変わるが、下っ端のころは楽だったんだなぁと思う。
だって、上司の言うままに仕事をしてれば良かったのだから。
引かれたレールの上を進んでいれば、給料もらえたんだから。
不満があれば、上司の悪口言ってりゃ済んだんだから…。
先日、経営者と飲んでた時にこんな言葉を聞いた。
「社長業って、孤独なんだよ」
若いころは意味が分からなかったけど、今なら良く分かる…。
最終的に決断する時は、皆「独りぼっち」なのだ。
結局…
決断する「勇気」を鍛えるためには、
決断を繰り返すことでしか、得られないのだろう。
だから決断するポジションに立とうと努力する人は、毎日「決断力」を鍛えられるから、優れたリーダーになれる可能性がある。
逆に、そのポジションに立とうとしないで、いつも不平不満ばかり言って「人のせい」にしている人は、
そんな人で終わるのだろう。
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でも、やっぱり…
決断するのは勇気が要るなぁ。