貴女の職場にこんな人、いるだろうか?
◯ ゴミが落ちていても拾わない
◯ 壁の張り紙が外れてても直さない
◯ 共有ボールペンが書けなくなっても補充しない
◯「これって僕の仕事ですか」と言う
今回は「当事者意識」というキーワードについて考えてみたい。
船頭多くして船山を登る
「十三夜のワラ鉄砲」をご存知だろうか。五穀豊穣に感謝する行事で、ワラで作った棒を地面に打ちつけ、その年の収穫に感謝する。先日、リハビリ主催で「ワラ鉄砲作り」を行なった。
作り方だが、まずはワラを踏んだり叩いたりして柔らかくする。利用者様から「もっと強く踏まなくちゃ駄目だよ!」「いやいや踏んだらワラが崩れちゃうからやめなさい!」などと意見が飛び交う。次にワラを紐で縛って持ち手を作る。「根元からしっかり縛るんだよ」「ぐるぐる巻けばいいんだって」「もっと上まで」。
そして試行錯誤で何とか完成し、皆で歌を歌いながらワラを打つのだ。
♪ 十三夜のワラ鉄砲
大麦小麦
大豆も小豆も良く当たれ
三角畑のそば当たれ ♪
紆余曲折あったが、何とか楽しく終了する事が出来た。しかし、まさに「船頭多くして船山を登る」状態だった…。
当事者と傍観者
ここで「当事者意識」という言葉について考えてみよう。指し図する当事者とその傍観者。前述の「船頭多くして船山を登る」の意味は、「指し図する人間が多いために統一がとれず、見当違いの方向に物事が進んでしまうこと」である。
ここで重要なのは、「指図する人の当事者意識」である。当施設のリハビリ室が目指す「組織論」は、「指し図する人間を明確にする」ことである。責任の所在をはっきりさせる訳だ。
ここで陸上メダリストの「為末大」さんのブログから一つ。
『当事者になるつもりがある人と、ない人がいる。何が違うかというと前者は目的を達成する担当は自分だと思っていて、後者は担当は自分だと思っていない。前者は目的を成し遂げること以外は手段だと思っているからあらゆる手を尽くすが、後者は目的を成し遂げる担当は自分ではないから、手段や仲間や面子にこだわり、うまくいかなかった時は誰かのせいにする』
(引用; http://tamesue.jp/)
当事者意識の作り方
どこの組織においても、「主任」「リーダー」「サブリーダー」のような責任の所在を作っていると思う。この欠点は、部下が受け身の傍観者になり、当事者意識が育たないことだ。そこで当施設では「プロジェクトリーダー制」を敷いている。一人一人が新しい発想を「自由に」「手軽に」提案できる環境作りをしており、利点は以下の2つ。
ポイント
①スタッフ誰もが当事者になる
②役割分担と責任の所在が明確になる
実はこの実践をする事で、「カラーバス効果」「RAS(脳幹網様体賦活系)」などの脳機能を活用することが出来るのだ。具体的な実践内容については、以下の関連記事「PDCAサイクルでプロジェクトを管理する」をご参照あれ。
当事者意識を作ると組織はどう変わるのか
最初に挙げた項目を、もう一度見てみよう。
はてな
◯ ゴミが落ちていても拾わない
◯ 壁の張り紙が外れてても直さない
◯ 共有ボールペンが書けなくなっても補充しない
◯「これって僕の仕事ですか」と言う
これらの仕事は「誰がやっても良い仕事」であり「役割分担されてない仕事」である。これを私は「のりしろの仕事」と呼んでいる。仕事が停滞するのは、往々にしてこの「のりしろの仕事」が原因であると思っている。
つまり「それは誰かがやるだろう」と思った時点で、その仕事は置き去りにされ、後々新しい課題として処理しなければならなくなる…という悪循環に陥る。「のりしろの仕事」を率先して行なうことは、仕事や人間関係を円滑にするだけでなく、結果的に「仕事の質を拡大することが出来る」のだ。
お暇なときに、ご一読を。