背中が大きく曲がった利用者様がいる。背骨が変形してしまった為、車椅子のバックレストにとがった部分が当たり、発赤を呈している。今回はダイソー商品を使って、「円背・亀背用の背当てクッション」を作ってみよう。
材料
・クッション 3枚(35cm×35cm)
→固めの生地のものを選ぶ
・U字クッション(1枚)
→無ければ普通のクッションを切断して細工
・裁縫道具等
作り方
①3枚のクッションを写真のようにセッティングし、しっかりと縫い合わせる。特に2本の縦クッションは外側へ逃げやすいので、内側をしっかり縫い付けよう。
②真ん中下にU字クッションを縫い付ける。
③裏返して使う。
背当ての考え方
利用者様の背中の形状に合わせて、上図「ベースクッション」に材料を貼り付けていく。言い換えれば、ベースクッションというキャンバスの上に、変形した背中の形状を書き込んでいくという作業だ。
例えば、図の赤いクッション「骨盤サポート」だが、これは変形した腰椎・骨盤を、下から包み込むように支えてあげる役割を担っている。
本来ならこの部分には、「ランバーサポート」という考え方のもと、腰椎のS字カーブを助けるためのクッションを配置する。しかし重度の円背や亀背の場合、もとよりS字カーブは消滅しており、背中はC字カーブを呈しているため、ランバーサポートは無意味となるのだ。
よって、重度の円背・亀背を呈した利用者様の場合、「骨盤サポート」という下から包み込む保護クッションが有効であると考える。
使用例
<before>
<after>
追記 ~クッションが汚れた時の洗濯対策について~
汚れた時のために、ダイソーの「チャック付きクッションカバー」を使用してみた。今回は「横倒れサポート」無しで、円背対策の簡素化したクッションを作成してみよう。
①チャック付きのクッションカバーを購入。
②ヒモ付きのベースクッションに、U字クッションを縫い付ける。
③クッションカバーに差し込む。
④ヒモを通すための穴をあけ、ほつれないように補強する。
⑤これならカバーだけ外して洗濯出来る。
⑥円背の度合いに応じて、U字クッションの厚さ調整が必要だ。1/4程度中身を抜いたほうが、背中の当たりは滑らかになると思う。微調整が必要かも…。
「背当ての調整」と同じくらい重要なのが、「座面の調整(アンカーサポート)」だ。お暇があれば、ご一読を。
車椅子上で頭が後ろへ倒れてしまう人に対しては、「車椅子用ヘッドレスト」を。