ナースコールを隠す人、それを見て震える人|性善説が通用しない現場のリアル

  • URLをコピーしました!

介護現場の夜、鳴り止まないナースコール。

そのボタンを、当たり前のように利用者の手の届かない場所へ隠す職員がいる。あるいは、ナースステーションの音を確信を持って消し去る職員がいる。

そこに、葛藤や罪悪感はみじんも感じられない。彼女らにとって、それは「業務を滞りなく終わらせるための合理的な手段」であり、一種の「テクニック」ですらある。

一方で、その光景を目の当たりにし、言いようのない罪悪感と怒りに震える職員がいる。

この二人の間に流れる埋めようのない溝は、介護という仕事に対する「性善説」と「性悪説」の衝突そのものだ。

確信犯という壁。ルールで心は縛れない

ナースコールを隠す人は、多くの場合、自分の行為を「悪」だとは思っていない。

「こうしないと仕事が終わらない」「この人は呼んでも用事がないからいいんだ」という、自分勝手な正当化で塗り固められていく。

マニュアルを強化し、倫理研修を重ねたところで、彼女らの「確信」を揺るがすのは容易ではない。

なぜなら、彼女らにとっての優先順位は「利用者の安全や安心」ではなく、「いかにストレスなく、自分のシフトを終えるか」に置かれているからである。

怒りを感じるあなたが、正しく「モヤモヤ」している

もし、あなたが同僚のそんな姿を見て、「信じられない」と激しい怒りやモヤモヤを感じているなら、それはあなたがまだ、人間に対する「性善説」を捨てきれていない証拠である。

「人は助けを求めているなら、それに応えるべきだ」という、最も尊い感覚をあなたが持ち続けているからこそ、確信犯的な同僚の振る舞いが「許せない悪」として映るのである。

その怒りは、あなたがプロとして、そして一人の人間として、まだ「死んでいない」ことを意味している。

現場という名の「混ざり合わない水」

残念ながら、一つの施設の中に、この「スッキリと確信犯的に隠す人」と「モヤモヤと憤る人」は、必ず共存してしまう。

確信犯の人を無理に変えようとすれば、あなたはさらに疲労し、絶望することになるだろう。彼女らには彼女らの、冷静なまでの「性悪説的な生存戦略」があるからだ。

今、あなたがすべきは、彼女らを正そうとしてエネルギーを使い果たすことではない。

自分の境界線を死守する

大切なのは、彼らの冷たさに当てられて、あなた自身の「モヤモヤする感性」まで捨ててしまわないことだ。

「私は、あちら側には行かない」…。

そう心に決めて、自分の仕事の純度を保ち続けること。確信犯の同僚に囲まれても、一人の利用者の呼び出しに耳を澄ませ続けること。

その孤独な戦いこそが、荒廃していく現場の空気を、かろうじてつなぎ止める最後の砦になるのである。

答えは出ない。でもその罪悪感は誇っていい

ナースコールを隠す人は、一緒「スッキリ」と仕事を終え続けるかも知れない。対してあなたは、一生「モヤモヤ」と、やり場のない怒りを抱え続けるかも知れない。

だが、どちらの人生が豊かであるかは、言うまでもない。他者の叫び(コール)を遮断して得る平穏と、叫びを受け止めて苦悩する毎日。

あなたが抱えるその重いモヤモヤこそが、あなたが人間の心を持っていることの、何よりの証明なのである。

ナースコールの正しい使い方

ナースコールの正しい使い方を教える103歳の利用者様
ナースコールを耳に当てて聞こうとする103歳の利用者様
ナースコールを口に当てて話す利用者様
ナースコールをリモコン代わりにしてテレビをつけようとする利用者様
理学療法士H
理学療法士。典型的なB型気質、一匹狼で徒党を組むのが大嫌い。他人の悩みや相談事を自分の事のように取り込んでしまい、体調が悪くなるのが欠点。趣味は、この世の人間関係の仕組みを解明すること。
当ホームページは、リハビリ脳を鍛えるためのサイトである。「リハビリ脳=日々の生活をリハビリ的視点で捉える事」と定義している。身体機能のリハビリのみならず、揺れ動く心のリハビリにも焦点を当てて考察している。
キネシオロジーと波動療法の専門店「こころのて整体院」を運営し、心と身体の癒しの場を提供している。
こころのて整体院
自立神経専門
管理者が運営する「心と身体の流れを整える」整体院です。病院では異常がないと言われた体調不良や、慢性的な疲れ、人間関係のストレスなど、心と身体のバランスが崩れることで起こる不調のご相談を多くいただいています。
当院ではキネシオロジーを用いて無意識の影響を確認し、波動療法で身体の状態を整えながら、占術(九星気学×易経)などの助言を得ることで、これからの人生の選択についてもサポートしています。
会社やママ友関係、夫婦関係などのストレス、原因がはっきりしない不調などもお気軽にご相談ください。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!