【第2章】お局(おつぼね)の価値観に染まっていく新人たち|静かなる「侵食」の恐怖

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新人だったころの「違和感」は、いつの間にか消えていく。

あれほど嫌っていたお局職員の横柄な口調を、気付けば自分も利用者に対して使っている。あるいは,同僚が利用者をモノのように扱う光景を見ても、何も感じなくなっている。

これは性格が変わったのではない。職場の強力な「負の重力」に引きずり込まれ、あなたの精神構造そのものが変形させられた結果である。

「同調」という名の生存戦略

物理学の世界には、「共鳴」という現象がある。強い振動を持つ物体の隣に、別の物体を置くと、次第に同じリズムで揺れ始める現象だ。

介護現場におけるお局職員は、いわば巨大な振動源である。彼女が放つ「負のエネルギー」は圧倒的で、その隣で生き延びるためには、自分のリズムを彼女に合わせるのが最も摩擦が少なく、手っ取り早い。

「そんなに優しくしてたら仕事が終わらないわよ」「そんなの適当にやっておけばいいのよ」。

こうした言葉を浴び続け、業務の波に飲み込まれるうちに、新人の心は少しずつ麻痺していく。利用者を「一人の人間」として観測するコストを切り捨て、「効率」という名のマシーンに成り下がる。それは成長ではなく、精神の「腐敗」である。

「ミラーニューロン」が牙を剥く

人間の脳には、他人の行動を見るだけで、自分も同じ行動をしているかのように反応する「ミラーニューロン」という仕組みがある。

毎日、お局が利用者を怒鳴り、雑に扱う姿を「観測」し続けることで、あなたの脳内ではその振る舞いが「現場の正解」として上書きされていく。

最初は「ひどい」と思っていたはずの光景が、やがて「当たり前」になり、最後には「自分もそうしないと仲間外れにされる」という本能的な恐怖に変わる。

気付いた時には、かつての瑞々しい感性は失われ、鏡の中には、かつて自分が軽蔑した「お局のコピー」が立っている。これこそが、介護現場における最も恐ろしい「魂の職業病」なのだ。

新人のあなたに贈る「生存戦略」

この侵食から逃れるためには、職場という閉鎖空間を「自分の世界のすべて」にしないことだ。

お局のリズムに共振しそうになったら、あえて現場の外にある価値観(家族、友人、趣味のような全く別の視点)を心に召喚せよ。

職場では完璧にマシーンを演じ、お局と同じ顔をして業務をこなしてもいい。しかし、心の一番深い場所では、「私はこの人たちとは違う観測者だ」という冷徹な境界線を一本引き続けなさい

お局が利用者を叱責しているとき、あなたは心の中で「ああ、この個体は今、エネルギー不足でエラーを起こしているな」と、物理現象として分析するのだ。

結論

周囲と馴染めないこと、違和感を持ち続けることは、あなたがまだ「まともな人間」である証拠だ。

無理に職場に溶け込もうとして、自分の色を濁らせてはいけない。その「心の孤独」こそが、あなたの人間性を腐敗から守る唯一の防腐剤になる。

あなたが守るべきは、お局との人間関係ではない。いつかあなたが現場の主導権を握ったとき、その「違和感」を種にして、新しい風を吹かせるための「自分自身の原点」なのである。

今はただ染まらずに、しぶとく「よそ者」のままで生き残りなさい。

【第1部】新人の苦悩

【第1章】介護現場に巣喰うブラックホール|お局の支配と新人の消滅

【第2部】お局の価値観に染まっていく新人たち|静かなる「侵食」の恐怖

【第3部】新人だった彼女が「お局」に変貌した悲しき理由|怪物に成り下がった救世主

理学療法士H
理学療法士。典型的なB型気質、一匹狼で徒党を組むのが大嫌い。他人の悩みや相談事を自分の事のように取り込んでしまい、体調が悪くなるのが欠点。趣味は、この世の人間関係の仕組みを解明すること。
当ホームページは、リハビリ脳を鍛えるためのサイトである。「リハビリ脳=日々の生活をリハビリ的視点で捉える事」と定義している。身体機能のリハビリのみならず、揺れ動く心のリハビリにも焦点を当てて考察している。
キネシオロジーと波動療法の専門店「こころのて整体院」を運営し、心と身体の癒しの場を提供している。
こころのて整体院
自立神経専門
管理者が運営する「心と身体の流れを整える」整体院です。病院では異常がないと言われた体調不良や、慢性的な疲れ、人間関係のストレスなど、心と身体のバランスが崩れることで起こる不調のご相談を多くいただいています。
当院ではキネシオロジーを用いて無意識の影響を確認し、波動療法で身体の状態を整えながら、占術(九星気学×易経)などの助言を得ることで、これからの人生の選択についてもサポートしています。
会社やママ友関係、夫婦関係などのストレス、原因がはっきりしない不調などもお気軽にご相談ください。
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