【常識を疑え4】なぜ着替えには「脱健着患」のルールがあるのか?|着替え介助が驚くほど楽になる「ゆとりの法則」

着替えの介助をしているとき、「あれっ、どっちの腕から通すのが正解だったかな?」と迷うことはないだろうか。

教科書には「脱健着患(だっけんちゃっかん)」なんて難しい言葉が載っているが、そんな呪文を覚えなくても大丈夫。大切なのは、言葉を覚えることでなく「服のゆとり」を見ること。

これさえ分かれば、もう迷わないし、何よりご本人が「痛くない」着替えができるようになる。

着る時は「悪い方の腕」から

①袖口を確認する

患側から服を着る1

②袖口に悪い方の腕を通す

患側から服を着る2

③悪い方の肩へ通す

患側から服を着る3

④良い方へ服を引っ張る

患側から服を着る4

⑤袖口に良い方の腕を通す

患側から服を着る5

⑥良く出来ました

患側から服を着る6

「良い方の腕」から着たらダメなのか?

それでは、教科書に逆らって良い方の腕」から服を着たらどうなるのか。

①袖口を確認する

健側から着るのは難しい1

②良い方の腕を通すのだが、片手で通すのはなかなか大変。

健側から着るのは難しい2

③手を通したら、良い方の肩まで引き上げる

健側から着るのは難しい3

④悪い方の肩を覆う。

健側から着るのは難しい4

⑤ここまでか…。悪い方の腕を袖に通すことは、とても難しいのだ。

健側から着るのは難しい5

良い方の腕から着ると「ゆとり」が無くなる

イメージしてみよう。

先にスルスルと良い方の腕を袖に通してまうと、服が体に固定されてピチピチになってしまう。その状態で、反対側の悪い方の腕を袖に通そうとすると…

・「うっ、腕が上がらない!」
・「無理に引っ張られて痛い!」

と、ご本人に大きな負担がかかってしまう。服に「遊び(ゆとり)」が無いので、無理やり腕をねじ込まなければならなくなるからだ。

合言葉は「ゆとりがあるうちに難所を通す」

着替えをスムーズにするコツは、とってもシンプルだ。

「まだ服がどこにも引っかかっていない、
ゆとりがたっぷりの状態」


この状態で、一番大変な「悪い方の腕」を先に通してしまうこと。これだけ。最初に難所をクリアしてしまえば残った「良い方の腕」は、ご本人が自分で通すこともできるし、介助する側もサッと通すだけで済む。

脱ぐときは「良い方の腕」から

①良い方の肩の襟をつかむ

健側から服を脱ぐ2

②良い方の肩を脱ぐ

健側から服を脱ぐ3

③良い方の上肢を脱ぐ

健側から服を脱ぐ4

④悪い方の肩を脱ぐ

健側から服を脱ぐ5

⑤悪い方の腕を脱ぐ

健側から服を脱ぐ6

「悪い方の腕」から脱いだらダメなのか?

①悪い方の肩を脱ぐ

患側から服を脱ぐ1

②ここまでか…。

患側から服を脱ぐ2

脱ぐときはスペースを作ってから

脱ぐときは、先に「良い方の腕」から抜く。なぜなら、良い方を先に抜くことで、服の中に大きな「スペース(隙間)」が生まれるからだ。

ガバッと余裕ができたところで、最後に動かしにくい方の腕をそっと抜いてあげる。これなら関節を無理にひねる必要もない。

まとめ

「脱健着患」という言葉を忘れてしまっても、目の前の服を見て「今、ゆとりはあるかな?」と確認してほしい。

  • 着るとき
    ゆとりがあるうちに、悪い方の腕から。
  • 脱ぐとき
    良い方の腕から脱いで、ゆとりを作ってあげる。

この「ゆとりの法則」を意識するだけで、毎日の着替えが「痛くてつらい時間」から「安心できる時間」に変わるはずだ。


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理学療法士H
理学療法士。典型的なB型気質、一匹狼で徒党を組むのが大嫌い。他人の悩みや相談事を自分の事のように取り込んでしまい、体調が悪くなるのが欠点。趣味は、この世の人間関係の仕組みを解明すること。
当ホームページは、リハビリ脳を鍛えるためのサイトである。「リハビリ脳=日々の生活をリハビリ的視点で捉える事」と定義している。身体機能のリハビリのみならず、揺れ動く心のリハビリにも焦点を当てて考察している。
キネシオロジーと波動療法の専門店「こころのて整体院」を運営し、心と身体の癒しの場を提供している。
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