「階段を登る時は、良い方の足から」
「降りる時は、悪い方の足から」
リハビリ現場で必ず教わるこのルール。「登る時も降りる時も、良い方の足から動かした方が力が入って安全じゃないの?」と疑問に思ったことはないだろうか。
実はこれ、根性論でもマナーでもなく、「自分の体重をどこで支えるか」というシビアな物理学に基づいている。

降りる時、なぜ「悪い方の足」が先なのか?
一番の疑問はここではないだろうか。不安定な足を先に宙に浮かせるなんて恐くないかと。
そもそも、何で階段昇降の「足の出し方」に決まりがあるのか。先ずは階段を降りる動作から考えてみよう。
「良い方の足」を先に降ろす場合
一段下のステップに足を届かせるまで、上の段に残っている「悪い方の足」だけで、全体重を支えなければならない。膝がガクッと折れてしまい、転落する危険が非常に高いのだ。


「悪い方の足」を先に降ろす場合
一段下へ足を出す間、上の段では「良い方の足」がしっかりと全体重を支えてくれている。良い方の足で、ゆっくりとブレーキをかけながら降ろせるので、実はこの方が圧倒的に安全なのだ。

登る時、なぜ「良い方の足」が先なのか?
今度は逆に、なぜ登る時は「良い方の足」を先に出すのか考えてみたい。
「悪い方の足」を先に出す場合
一段上のステップに足を届かせるのは、悪い方の足でもなんとか可能かもしれない。しかし上の段にある「悪い方の足」だけで全体重を持ち上げるのは一苦労だ。膝がガクッと折れてしまい、転んでしまう危険が伴う。


「良い方の足」を先に出す場合
段差を一段登るには、自分の体重をグイッと持ち上げる「強い筋力」が必要だ。良い方の足を先に出すことにより、その強力な筋肉を使って自分の身体を引き上げることが出来る。悪い方の足は、後からついてくるだけで済むのだ。

まとめ
この複雑な足順を覚えるための、リハビリ現場でよく使われる有名なフレーズがある。
「行きはよいよい、帰りはこわい」
行きは良い方の足から。
帰りは悪い方の足から。
常に、良い方の足が一番負荷のかかる瞬間を担当するようにすること。一見、複雑に見えるルールだが、倒れないために考え抜かれた究極の安全策なのだ。









