本連載は、理学療法士として数々の現場を歩んできた著者が、客観的な視点から介護現場に充満する「毒」を解剖し、自分を守りながらプロフェッショナルとして輝き続けるための戦略を綴った11の解剖ノートである。
解剖ノート01:現場を生き抜くための「初出勤の儀式」
初出勤の緊張は、生存本能の正しい反応である。タイムカードという境界線を越えたら、あなたは「生身の自分」をロッカーに封印し、「新人という役を演じるプロの俳優」にならなければならない。
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前へ 目次 次へ 「3階までの階段昇降が一番キツイ…」新しい職場に配属された初日、私はそんな呑気な事を考えながら、どうすれば楽に階段を登れるかなどと試行錯誤してい...
解剖ノート02:ナースコールは「無能な自分」を告発しているのか
鳴り響く電子音に恐怖し、自分の無能さを責められているように感じる新人の心理。しかし、その恐怖こそが人間らしい倫理観が生きている証拠である。
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前へ 目次 次へ 新人時代、事務所の電話が鳴るだけで寿命が縮む思いをした経験は、誰にでもあるだろう。しかし、この「音に対する恐怖」は、単なる電話対応への苦手意識...
解剖ノート03:心の相転移|凍りついたフロントガラスが透き通るまで
冷淡な人間関係は、物理学における「潜熱」の状態と同じ。熱(気遣い)を送り続けても反応がないのは、氷が溶けるためのエネルギーを蓄積している最中だからだ。
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【訪問リハから介護を解剖する 03】心の相転移|凍りついたフロントガラスが、透き通るその瞬間まで
前へ 目次 次へ 冬の早朝、凍りついた車のフロントガラスに温風を送る時、私たちは言いようのない焦燥感に駆られる。温風を送り始めて1分、2分…。ガラスの表面には何の...
解剖ノート04:「動ける自分」という幻想を捨てろ|脳内マップのバグ
運動会で転ぶ父親のように、脳の描く「理想」と肉体の「現実」にはズレがある。この「深部感覚」のバグこそが、現場でのケガや腰痛の正体である。
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前へ 目次 次へ 「平らな床でつまずく」「パルスオキシメータが上手く指にはめられない」あなたはこんな日常の小さなミスを、「最近ちょっと疲れが溜まっているのかな」...
解剖ノート05:水分管理のパラドックス|「いらない」という拒絶の正体
利用者が水を拒むのは、その先に「ナースコールで排泄を頼む」という自尊心の崩壊が待っているから。数値管理(身体の救済)が、時に尊厳(心の窒息)を招く。
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前へ 目次 次へ 冒頭の4コマ漫画で、訪問リハビリの移動中に陥る「トイレとコーヒーの無限ループ」である。コンビニのトイレを借りる申し訳なさから、つい不要なコーヒ...
解剖ノート06:ザイオンス効果の罠|なぜ会うほどに「嫌い」になるのか
介護現場という密室では「会うほど好きになる」という心理法則は逆転し、不快感の「上書き保存」が繰り返される。
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【訪問リハから介護を解剖する 06】ザイオンス効果の罠|なぜ会えば会うほど、あの人が「嫌い」になるのか
前へ 目次 次へ ザイオンス効果 前章では、「想像力で相手の尊厳を守ろう」という、プロとしてのあるべき姿を語った。だが、現実はそこまで美しくない。想像力を働かせ...
解剖ノート07:警告音との密談|「お主も悪よのう」と笑える心の余白
ナースコールや警告音は、こちらの脳をハックし支配しようとする「悪代官」である。その音に翻弄されるのではなく、共犯者のように面白がってみる。
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【訪問リハから介護を解剖する 07】警告音との密談|「お主も悪よのう」と笑える心の余白
前へ 目次 次へ 冒頭の漫画で描いたのは、助手席に置いた訪問カバンの重みで鳴り出した、車のシートベルト警告音に対する私のちょっとした一人芝居だ。 執拗に鳴り響く...
解剖ノート08:見えない「猛犬」とのダンス|責任という牙をいなす決断
現場のドアノブには常に「責任という名の猛犬」が潜んでいる。決断の恐怖の正体は、事態の悪化ではなく「周囲からの糾弾」である。
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【訪問リハから介護を解剖する 08】見えない「猛犬」とのダンス|責任という牙をいなす決断術
前へ 目次 次へ 受診を勧めるべきか、様子を見るべきか。冒頭の漫画で描いたように、対人援助職において「どちらが正解だったか」は、常に結果論でしか語られない。右を...
解剖ノート09:一歩先の不協和音|「今」を回す善意が未来を壊す
効率を優先した「速い介助」は、利用者の機能と尊厳を奪う「優しい虐待」になりかねない。一歩先を見ようとする者は、現場で孤独な予言者となる。
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【訪問リハから介護を解剖する 09】一歩先の不協和音|「今」を回す善意が、未来の可能性を握りつぶす
前へ 目次 次へ 冒頭の漫画で描いたように、「一歩先」を読んで行動することは、時にコミカルな空回りを生むが、対人援助においては極めて重要な技術(観察力やラポール...
解剖ノート10:常識の鎖を解く|価値観が溶け出す瞬間の「心地よさ」
私たちを縛る「常識」という名の鎧を脱ぎ捨てる。正解のない現場で「正しさ」への執着を手放したとき、相手の生の姿が見えてくる。
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【訪問リハから介護を解剖する 10】常識の鎖を解く|価値観が溶け出す瞬間の「心地よさ」について
前へ 目次 次へ 丸椅子や洗濯カゴ、果ては孫のおもちゃの押し車まで。冒頭の漫画で描いたように、訪問リハビリの現場に出ると、利用者が独自に編み出した「サバイバル術...
解剖ノート11:障害受容の嘘|「受け入れろ」という正義の傲慢
教科書通りの「障害受容」は支援側の都合で作られた幻想に過ぎない。受容を求める行為は、時に「服従」の強要へと変貌する。
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【訪問リハから介護を解剖する 11】障害受容の嘘|「受け入れろ」という正義が奪っているもの
現場でよく耳にする「あの人はまだ、自分の障害を受容できていない」という言葉。だが、理学療法士として断言したい、教科書に書かれているような、階段を一段ずつ登る...