なんと... !
先日、利用者様のストレッチを行なおうと靴を脱がせたら、中からぺちゃんこになったゴキブリが出てきたのだ!!。虫嫌いの自分にとって、ゴキブリは人類史上最大の敵なのだが、目の前に利用者様がいる手前、大声を出すわけにもいかず、男らしさを全面に出して涼しい顔で処理した(すぐにミューズで手を洗ったけど…)。今回は「ゴキブリを好きになる方法」について考えてみよう。
ゴキブリが嫌われる理由
さて、何故ゴキブリは皆から嫌われるのだろうか。自分はあのどす黒い色、テカテカしたツヤ、見ただけで寒気がする。なぜ世の中にこんな生き物が存在するのか。
ゴキブリを嫌いになる心理について、柚木深氏の「教えてGOO」内の記事から。対談の中で「心理学者、内藤誼人」氏は、次のように述べている。
『これは観察行動だと思います。例えば、幼い頃に両親や友達がゴキブリを見て、うわあ~と叫んでいる場面を目撃して、そこから自分も嫌いになるのでしょう。本能というより、観察して学習した結果だと思います。ゴキブリを嫌わない文化では、ゴキブリを見ても両親も友達もだれも叫びません』
(参考;ttp://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/2363761c3a05c3e42c51ad71aa8ef4e1/)
どうやら、小さい頃に味わった「観察して学習したトラウマ」が、大きく影響しているようだ。大人になった今、これを修正するのは難しいかも知れないと述べている。確かに、どうやったってゴキブリを好きになれそうにない…。
ABC理論で考えてみる
「ABC理論」をご存知だろうか。これは心理学者アルバート・エリスが1955年に提唱した理論である。ABCとは、次の3つを意味する(WIKI調べ)。
・A(Activating Event)→出来事
・B(Belief)→解釈や思い込みなど物事の捉え方
・C(Consequence)→結果として表れた感情や気持ち
私たちは、目の前に起きた出来事に対し、「嬉しい」とか「悲しい」などの感情を抱く。そのため私たちは単純に、このときの因果関係を「A(出来事)→C(結果として現れた感情)」であるかのように思い込む。
ところが実際は、C(結果として現れた感情)を引き起こしているのはA(出来事)ではなく、その出来事をどう解釈したかという「B(物事の捉え方)」によるのだ。これがABC理論と呼ばれるものである。
ABC理論の具体例
ここで、ABC理論の具体例を挙げてみよう。同僚の娘さんのお話しから考えてみたい。「病院受付業務」をしている娘さんの、仕事場でのお話しから。
「褒められた自分が凄い」と自慢しそうな所を、「褒めてくれたおばあちゃんの心遣いが凄い」と言い放った娘さん。素晴らしい感性だと思う。更に言えば、その娘の何気ない言動に感動する、お母さんの感性も素敵だと思った。
今回の話しをABC理論で捉えると、以下のようになろう。
A(褒められた)→B(物事の捉え方①)→C(褒められた私が凄い)
A(褒められた)→B(物事の捉え方②)→C(褒めてくれたおばあちゃんが凄い)
物事の捉え方Bによって、結果Cが変わってくるのだ。この考え方は「認知のゆがみ」などとも表現され、ビジネスの世界やカウンセリング、うつ病対策など様々な形で用いられている。
ゴキブリを好きになる為には…
もしかしてこの方法論を使えば、ゴキブリを好きになれるのかも…。
A(出来事)→ B(物事の捉え方)→ C(結果として現れた感情)
これがABC理論。
A(靴の中にゴキブリがいた)→ B(どす黒い色、テカテカしたツヤ、見ただけで寒気がする)→ C(ゴキブリ嫌い!)
これが「今」の感情。この非合理的な信条Bに対して、論理的な反論や有効な反駁をすればいいのか。
A(靴の中にゴキブリがいた)→ B(ゴキブリは嫌われながらも涙をこらえて頑張って生きてるんだ)→ C(ゴキブリ君が愛しい)
んー難しいかも…。
<おまけの4コマ漫画>
『作業療法士Oさんの素敵な物事の捉え方』