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指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について

→参照先(指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について)

 

第二 総論

1

事業者指定の単位について事業者の指定は、原則としてサービス提供の拠点ごとに行うものとするが、地域の実情等を踏まえ、サービス提供体制の面的な整備、効率的な事業実施の観点から本体の事業所とは別にサービス提供等を行う出張所等であって、次の要件を満たすものについては、一体的なサービス提供の単位として「事業所」に含めて指定することができる取扱いとする。なお、この取扱いについては、同一法人にのみ認められる。

① 利用申込みに係る調整、サービス提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。

② 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されること。必要な場合に随時、主たる事業所や他の出張所等との間で相互支援が行える体制(例えば、当該出張所等の従業者が急病等でサービスの提供ができなくなった場合に、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。

③ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。

④ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること。

⑤ 人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること。

 

2 用語の定義

基準第2条において、一定の用語についてその定義を明らかにしているところであるが、以下は、同条に定義が置かれている用語について、その意味をより明確なものとするとともに、基準中に用いられている用語であって、定義規定が置かれていないものの意味を明らかにするものである。

(1)「常勤換算方法」

当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。この場合の勤務延時間数は、当該事業所の指定に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数であり、例えば、当該事業所が訪問介護と訪問看護の指定を重複して受ける場合であって、ある従業者が訪問介護員等と看護師等を兼務する場合、訪問介護員等の勤務延時間数には、訪問介護員等としての勤務時間だけを算入することとなるものであること。

(2)「勤務延時間数」

勤務表上、当該事業に係るサービスの提供に従事する時間又は当該事業に係るサービスの提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む。)として明確に位置付けられている時間の合計数とする。なお、従業者一人につき、勤務延時間数に算入することができる時間数は、当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数を上限とすること。

(3)「常勤」

当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)に達していることをいうものである。ただし、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第23条第1項に規定する所定労働時間の短縮措置が講じられている者については、利用者の処遇に支障がない体制が事業所として整っている場合は、例外的に常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間として取り扱うことを可能とする。また、同一の事業者によって当該事業所に併設される事業所の職務であって、当該事業所の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。例えば、一の事業者によって行われる指定訪問介護事業所と指定居宅介護支援事業所が併設されている場合、指定訪問介護事業所の管理者と指定居宅介護支援事業所の管理者を兼務している者は、その勤務時間の合計が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。

(4)「専ら従事する」「専ら提供に当たる」

原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合のサービス提供時間帯とは、当該従業者の当該事業所における勤務時間(指定通所介護及び指定通所リハビリテーションについては、サービスの単位ごとの提供時間)をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。ただし、通所介護及び通所リハビリテーションについては、あらかじめ計画された勤務表に従って、サービス提供時間帯の途中で同一職種の従業者と交代する場合には、それぞれのサービス提供時間を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをもって足りるものである。

(5)「前年度の平均値」

① 基準第121条第3項(指定短期入所生活介護に係る生活相談員、介護職員又は看護職員の員数を算定する場合の利用者の数の算定方法)、第142条第3項(老人性認知症疾患療養病棟を有する病院であって介護療養型医療施設でない指定短期入所療養介護事業所における看護職員又は介護職員の員数を算定する場合の入院患者の数の算定方法)及び第175条第3項(指定特定施設における生活相談員、看護職員若しくは介護職員の人員並びに計画作成担当者の人員の標準を算定する場合の利用者の数の算定方法)における「前年度の平均値」は、当該年度の前年度(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の平均を用いる。この場合、利用者数等の平均は、前年度の全利用者等の延数を当該前年度の日数で除して得た数とする。この平均利用者数等の算定に当たっては、小数点第2位以下を切り上げるものとする。

② 新たに事業を開始し、若しくは再開し、又は増床した事業者又は施設においては、新設又は増床分のベッドに関しては、前年度において1年未満の実績しかない場合(前年度の実績が全くない場合を含む。)の利用者数等は、新設又は増床の時点から6月未満の間は、便宜上、ベッド数の90%を利用者数等とし、新設又は増床の時点から6月以上1年未満の間は、直近の6月における全利用者等の延数を6月間の日数で除して得た数とし、新設又は増床の時点から1年以上経過している場合は、直近1年間における全利用者等の延数を1年間の日数で除して得た数とする。また、減床の場合には、減床後の実績が3月以上あるときは、減床後の利用者数等の延数を延日数で除して得た数とする。ただし、短期入所生活介護及び特定施設入居者生活介護については、これらにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により利用者数を推定するものとする。

 

3 指定居宅サービスと指定介護予防サービス等の一体的運営等について

指定居宅サービス又は基準該当居宅サービスに該当する各事業を行う者が、指定介護予防サービス等又は基準該当介護予防サービス等に該当する各事業者の指定を併せて受け、かつ、指定居宅サービス又は基準該当居宅サービスの各事業と指定介護予防サービス等又は基準該当介護予防サービス等の各事業とが同じ事業所で一体的に運営されている場合については、介護予防における各基準を満たすことによって、基準を満たしているとみなすことができる等の取扱いを行うことができることとされたが、その意義は次のとおりである。
例えば、訪問介護においては、指定居宅サービスにおいても、第一号訪問事業(指定介護予防訪問介護に相当するものとして市町村が定めるものに限る。以下同じ。)においても、訪問介護員等を常勤換算方法で2.5人以上配置しなければならないとされているが、同じ事業所で一体的に運営している場合には、合わせて常勤換算方法で5人以上を置かなければならないという趣旨ではなく、常勤換算方法で2.5人以上配置していることで、指定居宅サービスに該当する訪問介護も、第一号訪問事業も、双方の基準を満たすこととするという趣旨である。
設備、備品についても同様であり、例えば、定員30人の指定通所介護事業所においては、機能訓練室の広さは30人×3㎡=90㎡を確保する必要があるが、この30人に第一号通所事業(指定介護予防通所介護に相当するものとして市町村が定めるものに限る。以下同じ。)の利用者も含めて通算することにより、要介護者15人、要支援者15人であっても、あるいは要介護者20人、要支援者10人の場合であっても、合計で90㎡が確保されていれば、基準を満たすこととするという趣旨である。
要するに、人員についても、設備、備品についても、同一の事業所で一体的に運営する場合にあっては、例えば、従前から、指定居宅サービス事業を行っている者が、従来通りの体制を確保していれば、指定介護予防サービス等の基準も同時に満たしていると見なすことができるという趣旨である。
なお、居宅サービスと介護予防サービスを同一の拠点において運営されている場合であっても、完全に体制を分離して行われており一体的に運営されているとは評価されない場合にあっては、人員についても設備、備品についてもそれぞれが独立して基準を満たす必要があるので留意されたい。
また、例えば、指定居宅サービスと緩和した基準による第一号訪問事業等を一体的に運営する場合には、緩和した基準による第一号訪問事業等については、市町村がサービス内容等に応じて基準を定められるが、例えば、サービス提供責任者であれば、要介護者数で介護給付の基準を満たす必要があるので留意されたい。

 

 

 

三 訪問看護

1 人員に関する基準

(1)看護師等の員数(居宅基準第60条)

① 指定訪問看護ステーションの場合(居宅基準第60条第1項第1号)

イ 指定訪問看護ステーションにおける保健師、看護師又は准看護師(以下「看護職員」という。)の員数については、常勤換算方法で2.5人以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域におけるサービス利用の状況や利用者数及び指定訪問看護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の人員を確保するものとする。

ロ 勤務日及び勤務時間が不定期な看護師等についての勤務延時間数の算定については、指定訪問介護の場合と同様である。

ハ 理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士については、実情に応じた適当数を配置するものとする(配置しないことも可能である。)。

ニ 出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の看護職員の勤務延時間数とは、出張所等における勤務延時間数も含めるものとする。

② 指定訪問看護を担当する医療機関の場合(居宅基準第60条第1項第2号)

指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護の提供に当たる看護職員を適当数置かなければならない。

③ 指定定期巡回・随時対応訪問介護看護又は指定複合型サービスとの一体的運営について(居宅基準第60条第4項及び第5項)

指定訪問看護事業者が、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業者又は指定複合型サービス事業者の指定を併せて受け、かつ、当該事業が指定訪問看護事業所と同じ事業所で一体的に運営されている場合については、指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業又は指定複合型サービス事業(以下③において「指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業等」という。)の指定を受ける上で必要とされている看護職員の員数(常勤換算方法で2.5)を配置していることをもって、指定訪問看護の看護職員の人員基準を満たしているものとみなすことができることとしている。
なお、指定訪問看護事業者が指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業等の看護職員の人員配置基準を満たしていることにより指定訪問看護の看護職員の人員配置基準を満たしているものとみなされている場合については、当該指定訪問看護事業の人員配置基準を満たしていることをもって別の指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業等の看護職員の人員配置基準を満たしているものとはみなされないので留意すること。

(2)指定訪問看護ステーションの管理者(居宅基準第61条)

① 訪問看護ステーションの管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該指定訪問看護ステーションの管理業務に従事するものとする。ただし、以下の場合であって、当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。

イ) 当該指定訪問看護ステーションの看護職員としての職務に従事する場合
ロ) 当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合に、当該訪問看護ステーションの管理者又は看護職員としての職務に従事する場合
ハ) 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される入所施設における看護業務(管理業務を含む。)との兼務は管理者の業務に支障があると考えられるが、施設における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もありうる。)

② 指定訪問看護ステーションの管理者は、管理者としてふさわしいと認められる保健師又は看護師であって、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第14条第3項の規定により保健師又は看護師の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後2年を経過しない者に該当しないものである。

③ 管理者の長期間の傷病又は出張等のやむを得ない理由がある場合には、老人の福祉の向上に関し相当の知識、経験及び熱意を有し、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められた者であれば、管理者として保健師及び看護師以外の者をあてることができるものとする。ただし、この場合においても、可能な限り速やかに常勤の保健師及び看護師の管理者が確保されるように努めなければならないものである。

④ 指定訪問看護ステーションの管理者は、医療機関における看護、訪問看護又は訪問指導の業務に従事した経験のある者である必要がある。さらに、管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修等を受講していることが望ましい。

 

2 設備に関する基準

(1)指定訪問看護ステーションの場合(居宅基準第62条第1項)

① 指定訪問看護ステーションには、運営に必要な面積を有する専用の事務室を設ける必要がある。ただし、当該指定訪問看護ステーションが健康保険法による指定を受けた訪問看護ステーションである場合には、両者を共用することは差し支えない。また、当該指定訪問看護ステーションが、他の事業の事業所を兼ねる場合には、必要な広さの専用の区画を有することで差し支えないものとする。なお、この場合に、区分されていなくても業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。

② 事務室については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。

③ 指定訪問看護に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。特に、感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問看護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。

(2)指定訪問看護を担当する医療機関の場合(居宅基準第62条第2項)

① 指定訪問看護を担当する病院又は診療所には、指定訪問看護の事業を行うために必要な専用の区画を設ける必要がある。なお、業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。

② 指定訪問看護事業に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。ただし、設備及び備品等については、当該医療機関における診療用に備え付けられたものを使用することが出来るものである。

 

3 運営に関する基準

(1)サービス提供困難時の対応

指定訪問看護事業者が、指定訪問看護の提供を拒否する正当な理由としては、第三の一の3の⑵に示した理由のほか、利用申込者の病状等により、自ら適切な訪問看護の提供が困難と判断した場合が該当するが、これらの場合には、居宅基準第63条の規定により、指定訪問看護事業者は、主治医及び居宅介護支援事業者への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者等を紹介する等の必要な措置を速やかに講じなければならない。

(2)利用料の受領

① 居宅基準第66条第1項、第3項及び第4項については、第三の一の3の⑽の①、③及び④を参照されたいこと。

② 同条第2項は、利用者間の公平及び利用者の保護の観点から、法定代理受領サービスでない指定訪問看護を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額及び法定代理受領サービスである指定訪問看護に係る費用の額と、医療保険給付又は訪問看護療養費の対象となる健康保険法上の指定訪問看護の費用の額の間に不合理な差異を設けてはならないこととしたものであること。
なお、そもそも介護保険給付、医療保険給付又は訪問看護療養費の給付対象となる訪問看護と明確に区分されるサービスについては、第三の一の3の⑽の②のなお書きを参照されたいこと。

(3)指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針

居宅基準第67条及び第68条にいう指定訪問看護の取扱方針において、特に留意すべきことは、次のとおりであること。

① 指定訪問看護は、利用者の心身の状態を踏まえ、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治医との密接な連携のもとに訪問看護計画に沿って行うこととしたものであること。

② 指定訪問看護の提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問看護計画の修正を行い改善を図る等に努めなければならないものであること。

③ 利用者の健康状態と経過、看護の目標や内容、具体的な方法その他療養上必要な事項について利用者及び家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。

④ 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な看護技術をもって対応できるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。

⑤ 医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等については行ってはならないこと。

(4)主治医との関係(居宅基準第 69 条)

① 指定訪問看護事業所の管理者は、利用者の主治医が発行する訪問看護指示の文書(以下、第三の三において「指示書」という。)に基づき指定訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整、指定訪問看護の提供を担当する看護師等の監督等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医とは、利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。

② 居宅基準第69条第2項は、指定訪問看護の利用対象者は、その主治医が指定訪問看護の必要性を認めたものに限られるものであることを踏まえ、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際しては、指示書の交付を受けなければならないこととしたものであること。

③ 指定訪問看護事業所の管理者は、主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならないこと。

④ 指定訪問看護ステーションが主治医に提出する訪問看護計画書及び訪問看護報告書については、書面又は電子的な方法により主治医に提出できるものとする。ただし、電子的方法によって個々の利用者の訪問看護に関する計画等を主治医に提出する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における著名又は記名・押印に代わり、厚生労働省の定める準拠性審査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)による電子著名を施すこと。

⑤ 指定訪問看護の実施に当たっては、特に医療施設内の場合と異なり、看護師等が単独で行うことに十分留意するとともに慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との密接かつ適切な連携を図ること。

⑥ 保険医療機関が指定訪問看護事業者である場合には、主治医の指示は診療録に記載されるもので差し支えないこと。また、訪問看護計画書及び訪問看護報告書についても看護記録等の診療記録に記載されるもので差し支えないこと。

(5) 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成

① 居宅基準第70条は、看護師等(准看護師を除く。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたものである。

② 看護師等は、訪問看護計画書には、利用者の希望及び心身の状況、主治医の指示等を踏まえて、看護目標、具体的サービス内容等を記載する。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合には、当該計画に沿って訪問看護の計画を立案する。

③ 看護師等は、訪問看護計画書の目標や内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う必要がある。

④ 訪問看護計画書は、居宅サービス計画に沿って作成されなければならないこととしたものである。なお、訪問看護計画書を作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、当該訪問看護計画書が居宅サービス計画に沿ったものであるか確認し、必要に応じて変更するものとする。

⑤ 訪問看護計画書は、利用者の希望、主治医の指示及び心身の状況を踏まえて作成されなければならないものであり、サービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障するため、看護師等は、訪問看護計画書の作成に当たっては、その内容及び理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士による指定訪問看護については、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるものであること等を説明した上で利用者の同意を得なければならず、また、当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。なお、交付した訪問看護計画書は、居宅基準第 73 条の2第2項の規定に基づき、2年間保存しなければならない。

⑥ 指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、居宅基準第69条第4項により、主治の医師への訪問看護計画書の提出は、診療記録への記載をもって代えることができることとされているため、居宅基準第70条第4項に基づく訪問看護計画書の交付については、「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日老企第55号)に定める訪問看護計画書を参考に各事業所ごとに定めるものを交付することで差し支えない。

⑦ 看護師等は、訪問看護報告書には、訪問を行った日、提供した看護内容、サービス提供結果等を記載する。なお、居宅基準第70条に規定する報告書は、訪問の都度記載する記録とは異なり、主治医に定期的に提出するものをいい、当該報告書の記載と先に主治医に提出した訪問看護計画書(当該計画書を居宅基準第69条第4項において診療記録の記載をもって代えた場合を含む。)の記載において重複する箇所がある場合は、当該報告書における重複箇所の記載を省略しても差し支えないこととする。

⑧ 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指定訪問看護を提供している利用者については、訪問看護計画書及び訪問看護報告書は、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が提供する内容についても、一体的に含むものとし、看護職員(准看護師を除く。)と理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が連携し作成すること。

⑨ 管理者にあっては、訪問看護計画に沿った実施状況を把握し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。

⑩ 指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を定期的に主治医に提出しなければならない。

⑪ 居宅サービス計画に基づきサービスを提供している指定訪問看護事業者については、第三の一の3の⒀の⑥を準用する。この場合において、「訪問介護計画」とあるのは「訪問看護計画」と読み替える。

(6)記録の整備

指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、居宅基準第73条の2により整備すべき記録のうち、指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書については、診療録及び診療記録の保存でも差し支えない。

(7) 準用

居宅基準第 74 条の規定により、居宅基準第8条、第9条、第 11 条から第 13 条まで、第 15条から第 19 条まで、21 条、第 26 条、第 30 条から第 34 条まで及び第 35 条から第 38 条及び第52 条までの規定は、指定訪問看護の事業について準用されるため、第3の一の3の(1)、(2)、(4)から(9)まで、(11)、(14)、(20)から(22)まで及び(24)から(28)まで並びに第3の二の3の(4)を参照されたい。この場合において、次の点に留意するものとする。

① 居宅基準第13条(心身の状況等の把握)中「心身の状況」とあるのは、「心身の状況、病歴」と読み替えられること。

② 準用される居宅基準第30条については、指定訪問看護ステーションにおいては、原則として月ごとの勤務表を作成し、看護師等については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にすること。指定訪問看護を担当する医療機関においては、指定訪問看護事業所ごとに、指定訪問看護に従事する看護師等を明確にし、原則として月ごとの勤務表を作成し、それらの者の職務の内容、常勤・非常勤の別等を明確にすること。なお、指定訪問看護事業所の看護師等については、労働者派遣法に規定する派遣労働者(紹介予定派遣に係る者を除く。)であってはならないものであること。

 

 

 

介護予防訪問看護

(1)指定介護予防訪問看護の基本取扱方針

予防基準第75条にいう指定介護予防訪問看護の基本取扱方針について、特に留意すべきところは、次のとおりである。

① 指定介護予防訪問看護は、利用者の心身の状態を踏まえて、妥当適切に行うとともにその生活の質の確保を図るよう、主治医との密接な連携のもとに介護予防訪問看護計画に沿って行うものとしたものであること。

② 介護予防訪問看護計画の作成に当たっては、一人ひとりの高齢者ができる限り要介護状態にならないで自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的として行われるものであることに留意しつつ行うこと。

③ 利用者の健康状態と経過、看護の目標や内容、具体的な方法その他療養上必要な事項について利用者及び家族に理解しやすいよう指導又は説明を行うこと。また、介護予防の十分な効果を高める観点からは、利用者の主体的な取組が不可欠であることから、サービスの提供に当たっては、利用者の意欲が高まるようコミュニケーションの取り方をはじめ、様々な工夫をして、適切な働きかけを行うよう努めること。

④ サービスの提供に当たって、利用者ができないことを単に補う形でのサービス提供は、かえって利用者の生活機能の低下を引き起こし、サービスへの依存を生み出している場合があるとの指摘を踏まえ、「利用者の自立の可能性を最大限引き出す支援を行う」ことを基本として、利用者のできる能力を阻害するような不適切なサービス提供をしないよう配慮すること。

⑤ 提供された介護予防サービスについては、介護予防訪問看護計画に定める目標達成の度合いや利用者及びその家族の満足度等について常に評価を行うなど、その改善を図らなければならないものであること。

 

(2) 指定介護予防訪問看護の具体的取扱方針

① 予防基準第76条第1号から第3号は、看護師等は、介護予防訪問看護計画を作成し、主治医に提出しなければならないこととしたものである。介護予防訪問看護計画の作成に当たっては、主治医又は主治の歯科医師からの情報伝達やサービス担当者会議を通じる等の適切な方法により、利用者の病状、心身の状況、置かれている環境等を把握・分析し、介護予防訪問看護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにした上で(アセスメント)、これに基づき、支援の方向性や目標を明確にし、提供するサービスの具体的内容、期間等を明らかにするものとする。なお、既に介護予防サービス計画が作成されている場合には、当該計画に沿って介護予防訪問看護の計画を立案する。

② 同条第4号から第7号は、サービス提供に当たっての利用者又はその家族に対する説明について定めたものである。即ち、介護予防訪問看護計画は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて作成されなければならないものであり、その内容及び理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士による指定介護予訪問看護については、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合には、看護職員の代わりに訪問させるものであることについて説明を行った上で利用者の同意を得ることを義務づけることにより、サービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障しようとするものである。看護師等は、介護予防訪問看護計画の目標や内容等について、利用者又はその家族に、理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行うものとする。また、介護予防訪問看護計画を作成した際には、遅滞なく利用者に交付しなければならず、当該介護予防訪問看護計画は、予防基準第 73 条第2項の規定に基づき、2年間保存しなければならないこととしている。

③ 同条第8号及び第9号は、指定介護予防訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に沿った適切な看護技術をもって対応できるよう、新しい看護技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものである。また、第9号においては、医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等については行ってはならないこととしている。

④ 同条第 10 号から第 13 号は、介護予防訪問看護計画に定める計画期間終了後の当該計画の実施状況の把握(モニタリング)、当該モニタリングの結果も踏まえた介護予防訪問看護報告書の作成、当該報告書の内容の担当する介護予防支援事業者への報告及び主治医への定期的な提出を義務づけたものである。看護師等は、介護予防訪問看護報告書に、訪問を行った日、提供した看護内容、介護予防訪問看護計画書に定めた目標に照らしたサービス提供結果等を記載する。なお、当該報告書は、訪問の都度記載する記録とは異なり、主治医に定期的に提出するものをいい、当該報告書の記載と先に主治医に提出した介護予防訪問看護計画書(当該計画書を予防基準第 76 条第15 号において診療記録の記載をもって代えた場合を含む。)の記載において重複する箇所がある場合は、当該報告書における重複箇所の記載を省略しても差し支えないこととする。看護師等は、介護予防訪問看護報告書に記載する内容について、担当する介護予防支援事業者に報告するとともに、当該報告書自体は、主治医に提出するものとする。また、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指定介護予防訪問看護を提供している利用者については、介護予防訪問看護計画書及び介護予防訪問看護報告書は、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が提供する内容についても、一体的に含むものとし、看護職員(准看護師を除く。)と理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が連携し作成すること。なお、管理者にあっては、介護予防訪問看護計画に沿った実施状況を把握し、計画書及び報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならない。

⑤ 同条第15号は、指定介護予防訪問看護事業所が保険医療機関である場合は、主治医への介護予防訪問看護計画書の提出は、診療記録への記載をもって代えることができることとしたものであり、「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」(平成12年3月30日老企第55号)に定める訪問看護計画書を参考に事業所ごとに定めるもので差し支えない。

⑥ 指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第 30 条第 12 号において、「担当職員は、介護予防サービス計画に位置付けた指定介護予防サービス事業者に対して、指定介護予防サービス等基準において位置付けられている計画の提出を求めるものとする」と規定していることを踏まえ、介護予防サービス計画に基づきサービスを提供している指定介護予防支援事業者から介護予防訪問看護計画の提供の求めがあった際には、当該介護予防訪問看護計画を提出することに協力するよう努めるものとする。

 

(3) 主治医との関係

① 指定介護予防訪問看護事業所の管理者は、利用者の主治医が発行する介護予防訪問看護指示の文書(以下、第四の三の3において「指示書」という。)に基づき指定介護予防訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整、指定介護予防訪問看護の提供を担当する看護師等の監督等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医とは、利用申込者の選定により加療している医師をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。

② 予防基準第77条第2項は、指定介護予防訪問看護の利用対象者は、その主治医が指定介護予防訪問看護の必要性を認めたものに限られるものであることを踏まえ、指定介護予防訪問看護事業者は、指定介護予防訪問看護の提供の開始に際しては、利用者の主治医が発行する指示書の交付を受けなければならないこととしたものであること。

③ 指定介護予防訪問看護事業所が主治医に提出する介護予防訪問看護計画書及び介護予防訪問看護報告書については、書面又は電子的な方法により主治医に提出できるものとする。ただし、電子的方法によって、個々の利用者の介護予防訪問看護に関する介護予防訪問看護計画書及び介護予防訪問看護報告書を主治医に提出する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI:Healhcare Public Key Infrastructure)による電子署名を施すこと。

④ 介護予防訪問看護の実施に当たっては、特に医療施設内の場合と異なり、看護師等が単独で行うことに十分留意するとともに慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との密接かつ適切な連携を図ること。

 

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投稿日:2018年6月24日 更新日:

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