人間関係論シリーズ

器と心を大きくする方法 ~相手の長所を取り込む技術~

投稿日:2016年12月4日 更新日:

 

「器の大きな人になりたい」「心の広い人になりたい」と思う。しかしどうやって器や心を鍛えればよいのだろうか。身体を鍛えたければ筋力訓練をすれば良いし、頭が良くなりたければ勉強すれば良い話だ。それでは自分の器や心を鍛えるためには…?

今回は「器や心を大きくする方法」について考えてみたいと思う。

 

先ずは4コマ漫画『格差社会』より…。

【4コマ漫画】老人ホーム日記

 

 

器や心は何処にあるのか

当ホームページの関連記事「職場の中の心理学」で、以下のように記載した。

『人間関係で悩む度に「心が強くなりたい」と思う。でも肝心の「心」って何処にあるのだろう。場所が分からなければ鍛えようがないのだ。心は心臓にあるのか?それなら心臓移植した人はどうなるのだろう。脳にあるのか?それなら脳死の診断を受けた人はどうなるのだろう。じゃあ腕?足?…考えれば考えるほど分からなくなる。「どんどん」という障害児教育の本がある。そこにはこう書かれていた。「心は自分と相手との間にある」と。つまり心は自分の内面にあるものではなく、自分と相手との間に「芽生える」ものだという考え方である』


(参考;「どんどん」障害児教育自主教材)

 

 

上述のとおり、器や心は「自分と相手との間」にある。つまり、相手との関係性の中で「芽生える」ものなのだ。だから器や心は、自分一人では大きくすることが出来ない。鍛えるためには「相手」との関係性が必要となる。

 

 

鍛える方法は2つ

それではどうやって鍛えようか。器や心を大きくする方法は2パターンあると考えている。それは「ネガティブモデル」と「ポジティブモデル」。ネガティブモデルは自分の外側に相手が存在し、ポジティブモデルは自分の内側に相手が存在している。

器と心のネガティブモデルとポジティブモデル

 

ポイント

器や心は、「自分と相手との間」にある。

器や心は、相手との関係性の中で「芽生える」ものである。

鍛えるためには「相手」との関係性が必要。

方法論は2つ。「ポジティブモデル」と「ネガティブモデル」。

 

 

 

ネガティブモデルとは

まずはネガティブモデルを見てみよう。これは相手の欠点を見つけて「批判的指導」を行なうモデルである。これは、相手を踏み台にして自分を大きく「見せる」方法論である。

器と心のネガティブモデルは批判的発言を浴びせる

 

分かり易くするため、一つ実験をしてみよう。「風船の実験」である。まず2つの風船を用意し、これを管でつないでみた。さてこの後、2つの風船はどのように変化するだろうか。

 

正解は下写真のようになる。相手(緑)の風船は小さくなり、自分(青)の風船が大きくなるのだ。

 

この実験の意味するところは、相手に対し「批判的発言」を浴びせると、自分の心は優越感に浸り、どんどん大きくなっていくが、一方で相手を潰してしまうという事を表わしている。相手の欠点を際立たせることで、比較対象としての自分を大きく見せようとする方法論である。

批判的発言を浴びせることで相手を潰してしまう

 

 

ネガティブモデルの欠点

このモデルでは、確かに自分の心は大きくなっていくのだが、器の形がいびつで相手を犠牲にする方法論である。実は、このネガティブモデルを行なっている人は「とても多い」と想像出来る。以下「職場の中の心理学」から。

『人間の目は不思議と欠けている部分に目が行く。その部分が気持ち悪く感じるのだ。この習性は、悲しいかな他人を見るときにも働いてしまう。つまり他人の足りない箇所に目が行ってしまうのだ。このような人間の心理は、「他人の不幸は蜜の味」などと表現される事があるのだが、実は「科学技術振興機構」の研究によると、この「不幸を喜ぶ感情」を脳科学的に証明できたという。これはワイドショー番組のゴシップネタが盛り上がる事からも分かる気がする』
(関連記事;「職場の中の心理学」より)

 

 

人はなぜ相手を批判してしまうのか

さて、人はなぜ相手を批判してしまうのか...。

それは下図で説明できる。器の形は人それぞれなのだが、自分の器に入りきらない部分が許せなく感じてしまう。つまり相手を批判する人は、自分の器の小ささを露呈しているようなものなのだ。

 

ポイント

ネガティブモデルとは、相手を批判し欠点を際立たせることで、比較対象としての自分を大きく見せようとする方法論。

人を批判してしまう理由は、自分の器に入りきらない部分が許せなく感じるから。

 

 

ポジティブモデルとは

次に「ポジティブモデル」を見てみよう。「自分の器で相手を包み込む」モデルである。

器と心のポジティブモデルは相手を自分の器で包み込む

このモデルを「横隔膜の実験」で説明してみよう。人は呼吸をする時、横隔膜を上下させることで、肺を膨らませたり萎ませたりしている。
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下写真をご覧頂こう。容器の中にある黄色い風船が「肺」で、容器の底の赤いゴムが「横隔膜」。赤いゴム(横隔膜)を下に引っ張って容器の面積を広げると、中の黄色い風船(肺)が膨らむ。

 

この実験の意味するところは、外の容器が広がれば中の風船が大きくなる…つまり「自分の器が大きくなれば、相手も一緒に大きく育つ」ことを表わしている。相手を包み込んで一緒に育っていくモデルである。

相手を包み込んで一緒に育っていく

以上から、「自然の摂理」と「人間関係論」との間には、密接な関わりがあると考えている。

 

 

ポジティブモデルは「褒める」こと

それでは、この「ポジティブモデル」を具体的に実践するには、どうしたら良いのだろうか。

ここでは「ゴッドマン比率」をご紹介しよう。これはワシントン大学のゴッドマン教授が行なった心理学実験である。人間関係を構築する上で、ポジティブ発言とネガティブ発言の間には、一定の「比率」があるという。この比率が崩れると、人間関係が壊れやすいと述べている。例えば親子なら「3回褒めて1回叱る」、上司と部下なら「4:1」「夫婦や恋人同士は5:1」くらいの割合がメドとなるようだ。

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相手との関係性を築くためには、「褒める」ことが重要だという事である。相手を褒めると、褒められた相手は自分の長所を伸ばそうと努力するようになり、一方で褒めた自分にもプラスの効果が跳ね返ってくるという考え方が、「ポジティブモデル」の基本的な考え方となろう。

 

ポイント

ポジティブモデルとは、相手を包み込んで一緒に育っていくモデル。

つまり「自分の器が大きくなれば、相手も一緒に大きく育つ」ことを表わしている。

方法論は「褒める」こと。

 

 

褒めるって難しい

実は相手を褒めるって、結構難しい。以下「HappyLifeStyle」様より。

『褒めるためには、相手のことをよく見て、いいところを探さなければなりません。大変ではありますが、自分の観察力を鍛えるチャンスになります。相手のいいところを見つけたとき、真似ができるところは、どんどん真似していきましょう。せっかく素晴らしい点に気づけたのですから、自分に取り入れるチャンスです。いろいろな人から素晴らしい点を取り入れた分だけ、自分が魅力的になります』
(引用;ttps://happylifestyle.com/12414)

 

 

褒めるためには観察眼が必要

相手を褒めること…、これを実践するためには、相手の長所を見つける「観察眼」が必要である。そして見つけた長所は、どんどん真似して自分の中に取り込んでいくのだ。

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この一連の流れが、「相手を褒めることで自分の器を大きくする」メカニズムと考えている。

相手を褒めることで自分も成長できる

 

 

 

まとめ

器や心を大きくするためには…

① 自分一人では大きく出来ない。自分と相手との共同作業で行なう。

② 大きくする方法は2つ。「ポジティブモデル」と「ネガティブモデル」が存在する。

③ ネガティブモデルでは、相手の器を自分の器で包み込めずに(自分の器が小っちゃいため)、相手に批判的発言を浴びせてしまいがち。相手を批判することで、相対的に自分を大きく見せようとするモデルである。

④ ポジティブモデルでは、相手の長所を見つける観察眼が鍛えられ、更にその長所を取り込んでいく事で、自分の器や心を大きくすることが出来ると考えられる。

 

ご精読ありがとうございました

 

 

組織の中で、必要とされる人物像がある。それは組織の「潤滑油」となるべき人物。お暇なときに、ご一読を。

 

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