今回は、ベッド上での移動介助方法について、3つの方法論をご紹介しよう。
1.側方移動 ~利用者の支点を外す方法~
利用者が横向きになった時の「支点を外す」ことで、側方移動を行なう方法から。
①利用者は胸の前で手を組む。
②利用者の両足を移動する。
③右の骨盤を浮かせ、介助者の膝を差し込む。この時の骨盤回旋に伴い、利用者の左骨盤の下に介助者の右手が差し込まれることになる。
④介助者の右手を骨盤下から引き抜く事で支点を外す。
⑤同じように、利用者の右肩の下に介助者の膝を差し込む。この時の肩回旋に伴い、利用者の左肩の下に介助者の右手が差し込まれることになる。
⑥介助者の右手を肩下から引き抜く事で支点を外す。
2.上方移動 ~介助者の肘を支点にする方法~
介助者の両肘を支点に、少しずつ方向を変えることで上方移動を行なう。利用者を大きく揺らすことになるので、介助はゆっくり慎重に行なうよう配慮したい。
①介助者の両上肢を、利用者の「肩」と「骨盤」の下に差し込む。利用者は胸の前で手を組む。
②介助者は肘を曲げ、利用者を手前に引き寄せる。その際、やや頭側方向へ回転させる。
③次に介助者は肘を伸ばし、やや頭側方向へ回転させる。
④介助者は肘の位置を頭側へ移動させる。
⑤介助者は肘を曲げ、利用者を手前に引き寄せる。以上をゆっくりと繰り返して上方移動する。
3.上方移動 ~足を抱えて行なう方法~
利用者の足を抱えて、少しずつ方向を変えながら上方移動を行なう。この方法も、利用者を大きく揺らすことになるので、介助はゆっくり慎重に行なうよう配慮しよう。
①利用者の両足の下に、介助者の足を差し込む。利用者は胸の前で手を組む。
②肩と骨盤を把持し、利用者の体を傾ける。
③頭側方向へ回転させることで、上方移動させる。
④反対側の肩と骨盤を把持し、利用者の体を反対側へ傾ける。
⑤頭側方向へ回転させ、上方へ少しずつ移動介助する。ゆっくりと交互に繰り返して上方移動する。