車椅子に座っていると、股が内側へ倒れてしまう(内転)利用者様を見かける。
今回はダイソー商品を使って、「股の内転防止」について考えてみたい。
そもそも何で内側に倒れるのか
足が内側に倒れる原因を考えてみる。
①拘縮がある
股の内転内旋筋群に拘縮があれば、当然ながら股関節が閉じた状態になる。
②麻痺や筋力低下がある
筋緊張が低い弛緩性麻痺の人に多い印象あり。
③座面がたわんでいる
車椅子の座面って平らじゃない。座面傾斜の影響で足が内側に倒れやすいのだ。
④フットレストが高すぎる
フットレストが高いと、足が不安定となり、内側もしくは外側に倒れやすくなる。
⑤フットレストが低すぎる
フットレストが低いと、座面のたわみの影響で内側へ倒れやすくなる。
⑥フットレストの足の位置が不適切
フットレストに乗せた「足先の位置」に影響を受ける。
⑦片側の骨盤が前に出ている
例えば、左側の骨盤が前方へ偏位していると、左の足が内側に倒れやすくなる。
どうやって内転を防ぐのか
それでは、どうすれば良いのだろうか。容易に頭に浮かぶのは下写真、これが一番簡単。足が内側へ入るのを、タオルを挟んで防いでいる。色々な施設にお邪魔する中で、時折見かける手法だ。でも余り見栄えが良いとは言えないかも知れない…。
市販のクッションで修正する
「ポメル」という言葉をご存知だろうか。この言葉は本来、「鞍馬についている取っ手」を意味するのだが、「股が内転するのを防ぐ」「お尻が前方へ滑っていくのを防ぐ」などを意味する言葉として使われている。ポメルを用いたクッションは、各種メーカーから販売されているのだが、幾つか具体例を見てみよう。
<レポ-seat>
(引用;ttp://www.kidsfesta.jp/product/2017006003/)
<ストレータスクッション>
(引用;ttp://waku2chokkan.com/i/cus18-VARILITE-Stratus)
<タカノ 車いすクッション タイプ1>
(引用;ttp://item.rakuten.co.jp/benkei-wakaba/w3550/)
材料
さて、今回はダイソー商品で「手作りポメルクッション」を作ってみたい。
・クッション(40㎝×40㎝)
・タオル
作り方
①クッションの真ん中部分に切り目を入れる。
②切り目から、畳んだタオルを差し込む。
③中に入れたタオルを整えて、縫い合わせる。
④股に掛かる部分が盛り上がっているのが分かるだろうか。この突起で足が内転するのを防ぐ。
⑤出来上がり。このようにセッティングしよう。
こんな時、どうしましょう。
車椅子上でズリ落ちそうな人には、これを。