脳卒中などの後遺症で、顔の半分に力が入らずにヨダレが出てしまう方がいる。また健康な人でも、夜中に口が開いて「口呼吸」となり、ヨダレが出てしまう人がいるようだ。口呼吸になると、口の中が乾いて唾液が少なくなり、細菌が繁殖する。舌のひび割れ・風邪・口臭・歯周病・口内炎など様々な弊害をもたらすとのこと。そこで今回は「口輪筋を鍛える」というテーマでお話ししたいと思う。
(参考;2015年2月放送 NHKあさイチ「万病のもと ドライマウス」より)
ボタン体操とは
2015年2月放送のNHKあさイチ「万病のもと ドライマウス」において、鶴見大学の斎藤教授がドライマウスの原因や改善法などを紹介している。番組では、口呼吸の弊害について述べられていた。人は唇の周りの口輪筋という筋肉で口を閉めるなどの動きをしている。しかし口呼吸が多い人は、口を開けっ放しで口輪筋が使われず衰えてしまっているそうだ。
そこで、「脳卒中等に伴う口輪筋麻痺」や「健常者の口呼吸の弊害」などを改善すべく、この番組で紹介された「口輪筋を鍛えるボタン体操」をご紹介するとともに、ダイソー商品を使って実際に作ってみよう。
準備するもの
・ペットボトル(300ml)
・ひも
・ボタン
・クリップ
作り方
①キャップにひもを通す
ペットボトルのキャップに穴を開け、ひもを通す。抜けないように、裏に結び目を付ける。
②ひもの先端にジョイントを作り、ボタンの付いた紐部分を挟む
紐の先端にクリップを付けて、ジョイント部分を作る。ボタン側にも紐を付けてつなぎ合わせる。
訓練方法
ボタンを唇と前歯の間に挟み、ペットボトルを持ち上げる。唇をしっかり閉じて、垂直に持ち上げたまま20秒キープしよう。ポイントは顔を真下に向けて持ち上げること。こうすると口輪筋に直接大きな負荷をかけることができる。
難易度の調整
(1)水の量で調整
ペットボトルの重さを変えて、難易度を調整する。
(2)ボタンの大きさで調整
小さいボタンほど、唇を閉じる力が必要になる。
(3)唇の位置で調整
ボタンを唇の正面・右側・左側へ移すことで、力の入り方が変わる。
施設などで行なう場合
不特定多数の人に行なう場合、ボタンをジョイント部分で取り替えることが出来る。当施設では「綿棒」などを使用していたが、ジョイント部分をクリップにしておけば色々な物を挟めるので、お試しあれ。