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介護の知識シリーズ

たった週1回の運動で「筋力」や「痛み」は改善するのか?

 

今回は、週1回の運動で「筋力」や「痛み」が改善するのかどうかを検討してみたい。

先ずは「筋力」の改善効果があるのかを考えてみよう。

 

週1回の運動で「筋力」が改善するのか?

「週1回通所リハビリに通い始めたら動きがよくなりました…」。

このような声を聞くことがある。しかし文献にもよるのだが、筋力増強には負荷の掛かる運動を週2~5日行なうとされている。本当に週1回の運動で筋力が付くものなのだろうか。

 

北斗の拳に学ぶ

「北斗の拳」という漫画をご存知だろうか。

主人公のケンシロウは、「人間は潜在能力の30%しか使うことが出来ない。俺は残りの70%をも使うことが出来る・・・」と言う。

まぁこれは漫画の話なのだが、しかし心理学者ウィリアム・ジェームスは、「人間は潜在能力の7%しか活用していない」という。また心理学者ユングは、「人間は自分の能力の50%だけで生活していて、残りの50%は置きっぱなしにしている」という。その他文献を調べてみると、どうやら人間は最大筋力の半分程度しか使えていないようだ。「火事場の馬鹿力」という表現からも想像出来る。

 

ポイント1 〜筋力でなく「筋出力」に働きかける〜

筋肉は一本の塊ではなく、沢山の細い筋の線維が束になって作られている。弱い力を出すときは少ない本数の筋線維が働き、逆に強い力を出す時は多くの筋線維が動員されることになる。つまり、「さぼっている筋線維がある」ということなのだ。

人は日常生活において、エネルギーを効率よく利用するために、必要最小限の筋肉しか使っていない。

ここで1つ、私がリハビリ研修時代に経験した印象深い出来事をお話ししよう。初めての患者様に対して、緊張しながら握力の評価を行なった時の話しだ。「強く握って下さいね」と声掛けして行なおうとした所、先輩に「だめだだめだ、こうやるんだ!そこで見てろ!」と言われてしまった。えっ、何か間違った?握力測るだけなのに何で…? と思って見ていると、先輩は訓練室に響き渡る大声で叫び出した。「ハイッ!握って。もっと強く!もっとぉぉ…!」。

なんか怪しい世界みたいなのだが、こうしないと正確な残存筋力は測れないという。普通に測った時と全然違う値が出るのだ。つまりポイントは「刺激を入れて、さぼっている筋線維を働かせる」ことなのだ。

だからジムなどに行って普段動かしにくい部位を動かすと、この筋線維が目を覚まして活動するようになる。たまに運動して筋肉痛になるのは、この筋肉がびっくりしたためだとも考えられよう。この「さぼっている筋線維を刺激して働かせる」こと、これが「たった週1回の運動で筋力が増強される」一つの理由と考えられる。

ちなみに北斗の拳ケンシロウ曰く、100%の筋力を出してしまうと、自分自身の筋肉や骨を痛めてしまうとのこと。そのため脳は自らの身体を守るため、筋の出力を抑制する信号を出しているという。逆に、運動選手が競技の時に大きな声を出したり、自己暗示トレーニングを行なったりしているのは、この抑制を解除する為といえる。これは「筋力増強のために運動する」という考え方とは別の視点であり、「筋力増強のために脳をコントロールする」と表現できるため、とても興味深い。

 

ポイント2 〜行動変容を起こす〜

聞きなれない言葉かと思うが、これは厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」に出てくる言葉である。簡単に言うと、通所リハ等で運動したことが刺激となり、普段の行動が変化することをいう。

いままで自宅ではゴロゴロと寝ていることが多かった人が、「通所リハの運動を真似て自宅で運動をするようになった!」とか「通所リハの運動で自信が付いて行動範囲が広がった」など、週1回の運動で行動変容を起こし、筋出力を改善できる可能性があることが分かってきている。

通所リハの理学療法士に教わった運動を家でもやってみようとする利用者様

 

運動を継続しよう

でもやっぱり週1回でなく、毎日少しでも「運動を継続すること」が大切。筋肉がさぼらないように、刺激し続ける事が大事!。でも実はこれが簡単なようで難しい…。

「絶対安静の状態では、1週間で10~15%の筋力低下が起こる」「不動により低下した筋力の回復には、一般的に少なくとも廃用状態に陥ったのと同じだけの時間がかかる」「以前の状態まで回復するには2倍ないしそれ以上の期間を要する」などの指標は、覚えておこう。
(参考;「標準リハビリテーション医学」津山直一 監修)
(参考;「リハビリテーション実践ハンドブック」S.J.ギャリソン 著)

 

 

 

週1回の運動で「痛み」が改善するのか?

次に、痛みの改善効果について考えてみよう。

「たった週1回通うようになってから、朝は痛みがなく起きれるようになりました。まるで魔法をかけてくれたみたいです」。これは、某フィットネスジムの体験談である。まぁよくある宣伝広告なのだが、たった週1回の運動で本当に痛みが取れるのだろうか。

フィットネスジムの宣伝広告のイラスト

 

脳内物質「βエンドルフィン」

実は、本当に痛みが取れる場合があるのだ。

「ランナーズハイ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これはマラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、そのストレスを軽減するために脳内物質が分泌され、やがて快感や陶酔感を覚える現象である。βエンドルフィンという脳内麻薬が関与していると言われ、これはモルヒネの6倍もの鎮痛効果があるという。

つまり「たった週1回の運動でも痛みが取れる理由」の一つは、このβエンドルフィンが作用していると考えられる。

 

脳内麻薬を出す方法

この脳内麻薬を引き出す方法をネットで調べてみた。

「2人以上で運動する」「楽しいことを想像する」「高カロリーで油脂を含む食べ物(京都大学の研究より)」「熱い湯に入る(草津の熱湯で実証実験済み)」「少量のアルコール摂取」等のキーワードを見つけることが出来た。さて、これで痛みを取る方法論が分かったので、以下のことを実践してみよう。

①若くてイケメン(もしくは美女)のいる運動施設に通い、

②そのスタッフを見てニヤニヤしながら楽しい気持ちで運動すること。その際は友達を誘って2人以上で運動をすること。

③運動が終わった帰り道で高カロリーのラーメンを食べ、

④家に帰ったら熱い風呂に入り、

⑤寝る前に晩酌すること。

 

なんか体に良いのか悪いのか分からない方法論だが、もしかしたら痛みが取れるかも…。

 

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