老健の理学療法士が「介護とリハビリ」について考えます。

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技術論

坂道を後ろ向きで登ると楽に感じるのは何故か

投稿日:2016年11月25日 更新日:

若かりし頃、草津温泉の急な登り坂を歩いた時に感じたことがあります。それは「後ろを向いて登った方がじゃないか」という事でした。Y◯HOO知恵袋にも、同じような質問が幾つかありましたが、本当に「」になるのでしょうか。
今回は、「坂道を登る際、後ろ向きで歩いた方が楽に感じるのはなぜか」について、3つの「仮説」を立ててみました。ご一読ください。

 


 

仮説① 「足首説」
間に合わせで坂道を作ってみました。この簡易坂道を登った時の足首角度を測ったら「背屈30度」でした。

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「日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会」が制定した参考可動域によれば、足関節の可動域は「背屈20度まで」となっています。という事は、坂道を前向きで登る際には、参考可動域を超えた角度(背屈30度)を強いられている事が分かります。これが足首周りの組織に負担を掛けていると想像できます。

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(参考 http://www.syouboukikin.jp/rules/pdf/8-6-1.pdf

次に「関節モビライゼーション」の概念を参照してみましょう。関節には「緩みの肢位(loose packed position)」と「締まりの肢位(close packed position)」があるとされています。このうち「締まりの肢位」とは、関節包や靭帯が緊張している肢位であり、その時の足首角度は「完全背屈位」となっています。
簡易坂道を前向きで登った時の足首角度は「背屈30度」だったので、まさに「完全背屈位」を呈していますね。よってこの時、関節包や靭帯は常に緊張を強いられていることになります。

以上より、坂道を前向きで歩くと足首に過剰な負担が掛かることが分かりました。逆に後ろ向きで歩くと、「足首」への負担が減り、それを「」に感じるのではないかと想像できます。

 


 

仮説② 使う筋肉が違う説
YAHOO知恵袋の中に、こんな回答がありました。
『神戸の六甲全山縦走大会で、最後のゴール手前の長ーい登り坂で「後ろ歩き」で必死で格闘されてる方が多数おられますよ。「足が膝が、もう前に出ないの。だから後ろ向きに…」』

前歩きと後ろ歩きの違いは、「足を前に出すこと」と「足を後ろに出すこと」です。当然ながら、使われる筋肉に違いが生じます。この「優位に使用される筋肉の変化」が疲労の蓄積を防ぎ、それを「」に感じるのではないかと想像できます。

 


 

仮説③ 膝ロック説
写真は「休め」の姿勢です。右膝を真っすぐ伸ばして体重を支えています。

膝がロックされた状態

この姿勢は、「膝がロックされた状態」と表現され、少ない筋力で身体を支えることが出来ます。その証拠に、こっそり後ろから膝を押すと、見事に「膝カックン」と崩れます。少ない筋力で身体を支えている証拠ですね。

さて、坂道を前歩きで登った時の「膝の角度」を見てみましょう。常に膝が曲がった状態を強いられているのが分かります。見るからに疲れそうです。

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一方、後ろ向きで登る時には、片膝をまっすぐ伸ばして「膝がロック」される瞬間があるのが分かります。つまり前述した休めの姿勢のように、少ない筋力で身体を支える時間が確保されています。これを「」と感じるのではないかと想像できます。

後ろ向きで歩くと楽に感じる

 

以上3つの仮説をご覧いただきました。あくまでも「仮説!」ですので、ご容赦下さいませ…。


 

 

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