老健の理学療法士が「介護とリハビリ」について考えます。

4コマ漫画で考えるリハビリ脳の作り方

思想論

松下幸之助さんに学ぶ「同じ質問を繰り返された時の対処法」

投稿日:2016年11月26日 更新日:

先日の出来事から。以下、利用者Sさんと理学療法士H(自分)との会話です。


 

<4コマ漫画>
『同じ質問』

 


 

皆さんなら、どのように対応するのでしょうか。ネット検索をかけてみると、同じような質問が沢山挙がっていました。模範解答を調べてみると、「ゆったりとした気持ちで初めて聞くように返事をしましょう」と書いてありました。しかし忙しい時には、対応にストレスを感じることも少なくありませんよね。

さて、ここで松下幸之助さんの逸話をご紹介させて下さい。松下氏の側近だった「江口克彦」氏が、興味深い記事を書いていました。失礼ながら、以下抜粋させて頂きます。

『ハーマン・カーン氏が松下に会う1週間か10日ほど前になったころ、松下は私に突然こう尋ねた。「今度、カーンという人がやってくるんやけどな、きみ、どういう人か知ってるか」。唐突な質問だったが、私は何の躊躇もなく、立て板に水で巧みに答えることができた。「カーンという人は米国のハドソン研究所の所長で、未来学者です。そして21世紀は日本の世紀だと言っている人です」。私の胸には、突然の質問に即答できた満足感が広がっていた。松下は私のそのような答えに軽くうなずきながら、「そうか、わかった」と返事をしてくれた。

翌日になると松下は再び、「きみな、今度カーンという人がわしに会いに来るそうやけど、どういう人か、きみ知ってるか」と聞く。質問したことを忘れたのか。仕方がないから昨日と同じ答えを繰り返した。松下は再び「ああ、そうか」と答えた。やはり、昨日私に質問したことを忘れていたんだな。まあそういうこともあるだろうと思いながら、話題は別のことに移っていった。

ところがである。さらに、翌日も松下は「今度、米国からカーンという人が来るそうや。きみ、どういう人か知ってるか」と言う。3度目の同じ質問に、私は憤りを感じていた。ずいぶんといい加減に聞いているのではないかという思いが、心の中にパッと広がった。私は、判で押したように同じ答えをした。松下は私の3度目の同じ答えに対しても、さほど表情を変えずに「うん、そうか。そういう人か」と言った。

私の気持ちはおさまらなかった。3日も続けて同じ質問とはどういうことか。人の育て方がうまいとか、人の使い方がうまいとか言われているが、上手でもなんともない。いい加減にしてほしい、というのが私の気持ちであった。

その日の夕方になって、私はふっとあることに思い至った。「待てよ。松下が同じ質問を繰り返し、そして私が同じ答えを繰り返している。それは、その質問に対する私の答が不十分だからではないのだろうか。もっと詳しいことを聞きたいということではなかったのか」。その日、私は仕事が終わると書店に直行した。カーン氏がどのような人物か、どういう経歴の人か、どういう考えでどういう主張を持っているのか。そのようなことを記録用紙3枚ほどのメモにまとめあげた

次の日、「そや。きみ、カーンという人がどういう人か知ってるか」。おもむろに内ポケットからメモを取り出し、丁寧に、得々として説明を始めた。松下は昼食に箸もつけずにそれをじっと聞いてくれていたが、私の説明が終わると、にっこり笑って「うん、ようわかった、ようわかった」と頷いてくれた。昨日までは1回だった「わかった」が、その時は2回「ようわかった、ようわかった」である。表情も満足げだ。

松下が同じ質問を繰り返し私にしているということは、すなわち部下の答えがいいか悪いかよりも先に、「この社員を育ててあげよう」ということを優先させているのである。だから「そんな答えでは中途半端だ」とは言わなかった。同じ質問を繰り返す。繰り返しながら、部下が自分で気がつくまで根気よく待つ。「それは駄目だ」「そんな答えは答えになっていない」「お前は役に立たない」。松下は、22年間をそばで過ごした間、1度もそういう言葉は言わなかった。本人が気がつくまで、自覚するまで、根気よく尋ね続ける。その松下の姿勢には、若い者や部下を育てたいという愛情があることを私はつねに感じていた』
(引用;http://toyokeizai.net/articles/-/103118

そうなんです。我々は試されているんです。利用者Sさんは、実は全てを知っていて、そのうえで同じ質問を繰り返しているんです。そう考えると、ちょっと自分の受け止め方が変わってきませんか。

Sさん
ちょっとちょっと。今日は何曜日ですか
理学療法士H(自分)
 今日は木曜日ですね。因みに“花モク”って知ってますか。休日の前日である金曜日よりも、その前日の木曜日の方が店などが空いているということで、“花の金曜日=花キン”にならって“花の木曜日=花モク”と呼ばれてるんですよ。また、小さい個人病院は木曜日を休診にすることが多いみたいですね」「曜日が気になるってことは、もしかしてリハビリをやりたいんですね。きょうはリハビリの日じゃないけど、頑張り屋のSさんにお付き合いさせてもらって、一つだけでも運動やってみましょうか

 

んー、出来るかなぁ…。

 


 

<おまけの4コマ漫画>

『傾聴』
悩み事の相談を受けるイラスト

歩けないことに悩むイラスト

どうやったら筋肉が付くかのイラスト

 


 

 

 

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